身長12cm、素朴な佇まいの小さな観音立像です。
山形鋳物といえば、鉄瓶を連想される方も多いかと思います。金属製品の産地は数あれど、「鋳物」の名を冠して伝統工芸指定されている産地は実は山形のみ。その歴史は古く、文献では平安時代までさかのぼります。ここかしこは、同じ金属鋳物の産地である富山県高岡がベース。企画担当が山形を訪れた際、ある工房の片隅にあまりにさりげなくたたずんでいた小さな観音様に心惹かれ、そのご由緒を伺ったところ、昭和50年、とある山形市内のお寺に納める観音像のエスキス(下書き)として先々代が作られたものとのこと。異産地同業だからこそ、地元に根付いたこの素朴な風情が非常に貴重に思えて、限定20体で復刻をお願いしたのが本作です。
エスキスだからか、微妙な台座のゆがみや鋳肌の素朴さに気負わぬさりげないニュアンスをまとい、いにしえの名もなき仏像もかくありなんと思わせる素朴な佇まい。有名なスター仏像の写しのようなキラキラ感こそありませんが、この小さな仏様の発するオーラにはどこか血の通った安らぎがあります。
「雅山」ご当代社長のおじいさんに当たられる先々代は長谷川雅山さんとおっしゃいます。昭和3年、昭和天皇皇后両陛下の作品お買い上げの栄誉をはじめとして、名高い賞の入選多数。その晩年に作られたこの仏様には、日本の伝統工芸がまだまだ活況だった昭和の時の流れが刻まれているようです。
Spec
サイズ:身長12cm
素材:ブロンズ
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つくる人
雅山
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